金魚すくいの金魚は長生きするか
金魚すくいの金魚は、すぐに死んでしまうというイメージがあります。
それは金魚すくいでのダメージを受けている事、持ち帰るまでのストレスがあり弱っているためです。
しかし金魚すくいの金魚は、飼育方法さえ間違っていなければ何年も生きて楽しむことが出来ます。
金魚の寿命は、しっかりとした管理がされているかどうかで決まります。
トリートメントが必要
金魚すくいの金魚のほとんどは稚魚(赤ちゃん)のころに養魚場などで選別の際に跳ねられた金魚です。
中には病気にかかっている個体もあり、持ち帰った金魚が病気のこともあります。
そのため金魚はトリーメントをしてあげる必要があります。
トリートメントは雑菌や落としたり体力を回復させる目的で行い、詳しいやり方などは後で説明します。
すくった金魚の飼い方(当日やるべきこと)
夏になるとお祭りなどで金魚すくいをやっている事が多くなりますね。
子どもにせがまれ、予定になかった金魚をゲットという事はよくある話しです。
しかし何の準備もしていないからと言って、持ち帰って長時間そのままにしてはいけません。
準備するもの
- 水槽
- エアレーション(ブクブク)
- カルキ抜き
- 食塩
水槽があればそれに越したことはありませんが、なくても大丈夫です。
水槽がない場合には、バケツや桶、プラケースなどで代用します。
それに、エアレーション(ブクブク)・カルキ抜き・トリートメント用の塩を準備しましょう。
塩は、スーパーで売っている粗塩で大丈夫です。
アジシオは添加物が入っているので使えません。
近くに100均があり営業していれば、カルキ抜きとバケツは売っています。
エアレーション(ブクブク)がない場合は代わりとなる酸素石が100均で売っています。
金魚の水槽への入れ方
金魚を水槽へ入れる時の重要なポイントはカルキ抜きと温度合わせです。
では、順番に説明していきましょう。
- 水道水を水槽(なければバケツなど)に汲み入れますが、その際なるべく金魚袋の水の温度に近い温度の水を用意しカルキ抜きをします。
- エアレーション(ブクブク)を設置します。
- 袋ごと水の中につるして1~2時間程度(水温により調節)そのままにして温度を合わせます。
- 袋の水を半分捨て、金魚の入っている袋に水槽の水を入れましょう。(約1時間おきに2回行う)
- 金魚のみ水槽に入れ、状態をよく観察します。
カルキ抜きとブクブクがない場合
何の準備もなく金魚すくいの金魚を迎えてしまった場合には、カルキ抜きがないこともあります。
今は浄水器や整水器がついている家が多いので、それらでカルキの入っていない水を汲む事が出来れば大丈夫です。
あるいは水道水を沸騰させることでもカルキ抜きが出来ますが、当然しっかりと冷ましてから使いましょう。
上記の方法以外では、市販のビタミンC(アスコルビン酸)やビタミンC入り飴で代用することができます。
10Lに対し約0.2g(0.2gは0.2mlとほとんど同じ)の量を使用してください。
飴を使用する場合は余計な糖分や添加物が入っているので入れすぎないように注意しましょう。
それからビタミンC入り飴は、あくまでも緊急時のみ使用するようにお願いします。
エアレーション(ブクブク)もなければ、水位が浅く水面が広くとれる容器を用意すれば溶存酸素量(水に含まれる酸素の量)が多くなるので、たらい等でも大丈夫です。
ブクブクなしのやり方は以下で詳しく解説しています。
しかし、金魚を長生きさせたい長く飼いたいのならば、やはりブクブクは必須です!
当日の注意事項:餌やりなど
すぐに餌をあげたい気持ちはありますが、1週間程度(少なくとも3日間)はやらないでください。
餌をあげてしまうとストレスによる消化不良をおこすので、そのような状態を回避するという理由で水槽に慣れるまではあげません。
あげたいな気持ちはグッと我慢し見守りましょう。
子どもは金魚がきた嬉しさ余って、金魚をのぞき込んだり水槽をつついたり叩いてみたりやりがちですが、死んでしまっては悲しいですね。
金魚すくいの金魚は、ストレスで弱っていますし病気である可能性も考えられます。
当日は、静かに遠目から見守ってあげることがとても重要です。
翌日以降にすべきこと
金魚すくいの金魚が家にやって来た当日には、どうしても準備ができない物があるのは仕方がありません。
しかし、翌日以降には早めに環境を整えてあげる事が大切です。
少なくとも1週間以内には、きちんと安心して住める金魚のおうちにしてあげましょう。
水槽やエアレーション(ブクブク)、カルキ抜きはもちろん、濾過フィルターもあると良いです。
手軽で安価な水槽セットを購入するのが、一番のおすすめです。
なるべく塩浴トリートメントを
金魚を初めて買う方にとっては少々ハードルが高いかもしれませんが、できれば塩浴トリートメントは行いたいものです。
塩浴とは水量に対して0.5%の塩を入れて塩水にし、この塩水の中で金魚を過ごさせることです。
健康な状態ならば通常の飼育水で全く問題ないものの、病気やストレス過多の状態では淡水と体内塩分濃度の調整が負担になると言われています。
金魚の体内は約0.9%の塩分濃度であり、飼育水もそれに近づけることで負担を減らし体力の回復が見込めるというものです。
さらに、体力回復によって雑菌を落としたり初期症状であれば塩浴のみで治ることも多々あります。
愛好家やブリーダーの方、ショップでは2週間以上の塩浴トリートメントを行うこともありますが、初めての方はまず1週間の塩浴を行うことを心がけましょう。
塩浴トリートメントについては以下の記事に詳しく書いてあるので、ここでは簡単な流れだけを説明します。
塩浴トリートメントの流れ
- カルキ抜きをした新水に金魚を入れる
- 0.5%の塩を用意する(例:水10Lに対し50g)
- 0.5%の塩を水でよく溶かす
- 溶かした塩水を3回に分けて水槽に入れる
- 入れる間隔は1~3時間とること
- 24時間後に半分水替え
- その次の日からは2~3日に1回水全替え
- 1週間で終了する
- 金魚を塩水に入れる際や元の水槽に戻す際も温度合わせだけは慎重に
注意事項として、塩水は文字通り水に塩が溶けている状態ですので通常の水に比べて酸素が溶けにくい状態です。
そのため塩浴を行うならばブクブクは必須です。
また夏場など水温が高い(28℃を超える)と傷みやすく、水替えを1日怠るだけで金魚にとって毒になります。
塩水がやや白濁りしたら水替えの証拠なので面倒くさがらず行いましょう。(白濁りの原因はバクテリア・菌の死骸や粘膜のカス等)
水替え
塩浴トリートメントをしてもしなくても、通常の飼育水での水替えは重要です。
金魚にとって水はヒトにとっての空気と同じようなものであり、酸素が足りなかったり汚れがひどいと病気にかかったり死んでしまうからです。
水に濁りがなくても、水中では糞や食べ残しによるアンモニア濃度・亜硝酸濃度・硝酸塩濃度が高くなっている可能性があります。
初めは水の汚れが早いので、汚れ具合を見て翌日か2日後に半分以上の水を替えましょう。
毎日餌を与えるならば、3日に1回程度の頻度で水を替えてあげましょう。
金魚を病気にさせず、長く生きてもらうためには面倒でもこのくらいで水替えを行うことが大切です。
水替えの頻度などに関する内容はこちらに記載しています。
金魚すくいで金魚を取ってきたら、癒しのアクアリウムで可愛い金魚を楽しんでください。
ちなみに:金魚すくいの金魚の種類
金魚すくいの金魚といえば小赤が一番ポピュラーですが、近年では色々な種類の金魚が入っています。
その中でも丈夫で飼いやすい金魚すくいの金魚の飼い方、特徴や大きさ寿命などを詳しくご紹介しましょう。
小赤・姉金
小赤・姉金は、もともと金魚すくい用や肉食魚の餌として生産された金魚です。
ちょっと残酷な気がしますが、ちゃんと役割があるのですね。
正式名称は和金で、小赤・姉金という呼び名は俗称として使われ、大きさによって使い分けられています。
シンプルなフォルムの赤く小さな小赤・姉金は、とても可愛らしく夏の風物詩として私たちを癒してくれる存在でもあります。
全長が5cmまでの金魚が小赤、10cm未満を姉金と呼びます。
実際に流通している姉金は7cm位の中赤となります。
その昔中国で赤いフナが発見され、その突然変異で赤くなったとされるヒブナが和金の原点であると言われています。
大きさは、栄養状態や環境・水槽によりますが、大きな個体で30cm以上にも成長します。
一般的な寿命は7~8年くらいで、10年生きてくれれば長生きです。
ですが餌や環境によっては20年以上生きる個体もあり、40年生きたという記録もあります。
琉金
金魚すくいで琉金をすくえた時は、本当に嬉しいものです。
琉金も小赤・姉金と同じように中国で突然変異した金魚で、江戸時代に中国から琉球を経て薩摩に輸入されました。
ぷっくりとした丸みを帯びた三角の体に、ひらひらと揺れる長い尾が特徴です。
日本で品種改良され、他種と掛け合わせたミックス(キャリコ)もあり、色や形も多種となっています
管理さえ上手くしてあげれば20cm超の大きさにもなります。
餌が少なすぎると大きくなりません。
琉金の寿命は諸説ありますが、一般的には和金と同じく10年生きれば長生きでしょう。
飼い方によってはもっと長く20年以上生きる可能性もあります。