ヒーター 金魚

ヒーターはなしでOK

金魚の飼育においてヒーターが必要かどうかですが、基本的には不要です。

熱帯魚・一部の特殊な金魚飼育ならば必要になりますが、そもそも金魚は氷点下3度~摂氏35度ならば生きられます。

低水温の環境では摂氏10度を下回ると動きが鈍くなり5度を下回ると冬眠に入ります。

水槽水が完全に凍らなければ氷点下でも生存できます。

高温度では30度を超えても生きられるほど幅広い温度に対応します。

つまり夏でも冬でも無加温で飼育できるためヒーターはなしで構いません。

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ヒーターが必要なケース

金魚飼育でもヒーターが必要になることがあります。

  • 白点病の治療
  • 水温が著しく低下する環境
  • 巨大化させたい

白点病の治療

白点病の治療の際はヒーターを使用するとより効果的です(必ず必要というわけではありません)。

白点病の原因虫であるウオノカイセンチュウは25度以下では繁殖力が非常に強いため、治療の際はヒーターで28度以上に設定しそれを弱めます。

白点虫のサイクルは

  1. 金魚に寄生
  2. 栄養分を吸収・成長(成長して目に見える白点になる)
  3. 成熟して金魚から離れる
  4. シストを形成しその中で繁殖
  5. 新たに白点虫が生まれ水中へ

といった形で段階を踏み、水温が高い(28度以上)と4・5の能力が低下します。

その結果、低水温(25度以下)の時に比べて繁殖が弱まり治療の効率が良くなるのです。

もちろんヒーターなしでも治療は可能です。

後述しますが、ヒーターの使用が初めて・飼育初心者の方にとっては温度調整がかなり難しいので無理にヒーターを使う必要はありません。

水温が著しく下がる環境

金魚は冬眠する形で寒さをしのぎます。

水槽内がすべて凍らなければ、基本的に生きることは可能です。

ただ、北の地域ならばマイナス20度に達するところもあり、このような環境下ではヒーターで最低温度を調整するといいでしょう。

屋外で飼育されている場合は水槽を用意して屋内に移します。

加温の方法としては、冬に差し掛かり水温が0度以下になるようでしたらヒーターを入れます。

ヒーターが入っている状態で、数日かけて水温が0~5度くらいになるよう調整します。

例えばヒーターを15度に設定し水温を上げるとしても、水槽を置く環境がその温度よりも低ければ水槽内がぴったり15度になることはありません。

ヒーターで調整した温度になる必要はなく、金魚が生存できる環境を作ることが重要です。

何よりもヒーターの使用による急激な水温の変化に気を付けましょう。

巨大化させたい

金魚を巨大化させるために一番手っ取り早いのは餌を多く食べさせることです。

金魚は水温が25~30度ではかなり活発に動きその分よく食べますので、ヒーターで1年中それくらいに設定しておきます。

ヒーターがなくても巨大化はできますが、あった方が早くできるのです。

ただ、大量に食べる分フンもよく出るので水替えが頻繁になったり水汚れの影響で病気のリスクも高くなります。

むやみに温度を上げて餌をやっても、数日で病気を発症するだけですのであまりお勧めはしません。

ヒーターがいらないケース

一般的には「必要」と思われていますが、実はヒーターがいらないケースもあります。

それはピンポンパールの飼育時です。

よく「ピンポンパールは暖かい地域の水温で育っているからヒーターが必要」なんて言われていますが、例えば国産のピンポンパールの場合、親は冬を越して産卵します。

もちろんこの時に低水温を経験しますし、中国産やシンガポール産に関しても同じです。

事実私が飼育しているピンポンパール水槽は無加温でヒーターなしです。

春でも水温15℃を下回りますが生体に問題はありません。

ただ、ピンポンパールは他の金魚に比べて弱いのは確かです。

少しの水温、水質、環境の変化でコロッと行ってしまう個体も多くいます。

これを防ぐ意味でヒーターで温度を一定にすべきと言われているのでしょう。

ピンポンパールの飼育では、基本的にヒーターは必要ないですが水温の変化が著しい(1日で3度以上変化する)ならば使用するのが良いでしょう。

ピンポンパールの適切な飼い方とヒーターや水温について

適切な使い方

金魚にとって急激な水温変化は負担になるので適切な使い方を心得ておきましょう。

またヒーターの加温部分は設定したい温度よりも高温になりますので、カバーが付いているなど安全設計されたものが良いです。

  • 水槽の容量にあったワット数で使う
  • 設定温度は徐々に上げる
  • 予備は持っておく
  • 水を循環させる

水槽の容量にあったワット数で使う

基本的にヒーターのパッケージに「●●リットル以下用」と書かれており、それを目安に利用してください。

ただし、「100リットル以下用」と書いてあるからといって20リットル容量の水槽で使うようなことは厳禁です。

以下に水槽容量とそれに適したワット(W)数を記しましたのでご参考にしてください。

  • 30cm水槽(約20L):50W
  • 45cm水槽(約40L):100W
  • 60cm水槽(約65L):150W
  • 90cm水槽(約180L):300W
  • 120cm水槽(約240L):500W
  • 90cmスリム水槽(約90L):200W

小さい水槽で大きいWのものを使うと設定温度以上の水温になり故障を起こす可能性があります。

逆に大きい水槽で小さいWを使うとパワーが足りずに水温が上がらず、加温時間が長くなるために消耗が激しかったり故障の原因になります。

多少のズレはあっても構いませんので、上記を参考に選択しましょう。

設定温度は徐々に上げる

ヒーターの使い方で一番気を付けなければならないのが温度の上げ方です。

例えば通常時10度の水温でヒーターによって20度まで上げたい場合、いきなり20度設定のものを入れるのはNGです。

1日に1度ずつ水温をあげるのが金魚にとって負担にならないやり方です。

温度固定型のヒーターではこの「一度ずつ上げる」のがかなり難しいので、温度調節型をお勧めします。

予備は持っておく

ヒーターは消耗品です。

最近は加温部分(ヒーター部分)の取り換えられるように設計されており、取り換え用のみも販売されているので予備として必ず持っておきましょう。

なぜならば消耗や故障で突然使用できなくなり、その場合水温が急激に変化することになるからです。

繰り返しますが急激な温度変化は金魚にとってかなりの負担になります。

それを避けるためにも予備の取り換え用ヒーターが必要です。

水を循環させる

ヒーターを使うならば濾過器やエアレーションは必須です。

どのヒーターを購入しても必ず使用方法として「水を循環させている環境で使うこと」と表示されているからです。

固定式も調節式も、ヒーター部分のすぐ近くに水温を計るセンサーがついています。

水が循環していない環境では、加温部分から出た熱がヒーター周辺にこもり、センサーが「設定の温度まで上昇した」と感知してしまいます。

そうなるとヒーター周辺以外は熱が届かな状態で加温が終わってしまい、水槽内で温度のムラが生じます。

結果として設定しているはずの温度まで上昇しないため、水の循環が必要なのです。

おすすめのヒーター

ヒーターを初めて買う方は以下の点を重視すると良いでしょう。

  • 温度調節式
  • 分離型
  • カバー・安全装置付き

温度調節式

文字通り、温度を調節できるタイプです。

ヒーターには温度固定型といって、あらかじめ製品で設定された温度でした加温できないタイプのものがあります。

ただこのような固定式は温度を1日に1度ずつ上げる調整が非常に難しくお勧めできません。

また、水温20度ぴったりに設定したいと思っていても、外部温度により水槽内の温度も変化します。

20度の固定式ヒーターを使っても、室内温度が15度の時と20度の時では水槽内温度は異なります。

このように微調整が効かず、1度ずつの加温も難しいので固定式ヒーターは使いにくいです。

購入の際は温度調整式を選びましょう。

分離型

ヒーターは大きくパーツ分けすると

  • ヒーター本体(加温部分)
  • サーモスタット(温度調整のコントローラー)

があます。

一体型はヒーター本体とサーモスタットが切り離し不可で、完全に一体になったものです。

ヒーター本体かサーモスタッドのどちらかが壊れれば再度使用することはできません。

分離型はヒーター本体とサーモスタットが切り離し可能で、取り換え用が存在します。

つまりどちらかが故障しても故障した方の取り換え用を購入すれば再度使用できます。

ほとんどの場合消耗が激しいのはヒーター本体ですので、取り換え用さえ用意しておけばかなり長い期間使用できます。

そのため分離型の方が圧倒的に使い勝手がいいのです。

分離型の注意事項

予備のヒーター本体を買う場合は、必ずサーモスタットに対応している型のものを取り付けしてください。

分離型をセットで買ったならばヒーター本体のW数などを覚えておくことです。

対応したものでないと故障や漏電の原因になりますので気を付けましょう。

また、サーモスタットを接続せずにヒーター本体のみを水槽に入れるのも厳禁です。

サーモスタットに接続しないと水温を感知できず、自動的に加温が切れない状態になります。

そうなると水槽内が煮えくり返ってしまうので必ずサーモスタットに接続したうえで使いましょう。

カバー・安全装置付き

設定温度に加温するためヒーター本体はかなり高熱になり、カバーがない状態では非常に危険です。

そのためヒーター本体にカバーがあるものを選び、金魚のヒレが触れてしまうのを防止します。

安全装置は稼働中にうっかり水中から出してしまった時やサーモスタットの故障や時に働く機能です。

例えばGEXの「NEWセーフカバー ヒートナビ」は、ヒーター本体が空気中に露出したら温度センサーで温度を自動的に下げる機能があります。

また、ヒーター本体に「温度ヒューズ」をつけ、高温になってしまった際はそのヒューズが切れ通電を遮断します。

サーモスタットが故障すれば温度のコントロールが効かなくなり温度が高いまま加温されてしまいますが、「温度ヒューズ」の安全策でそれを防ぎます。

ヒーターは熱を発する装置で、一定のリスクがあるものなので安全な策がとられているものを選びましょう。

ヒーターはなしか必要かのまとめ

基本的に金魚飼育にヒーターは不要で、なしでも問題なく長生きさせられます。

例外的にピンポンパールを買う時や冬場の温度が著しく下がる時はヒーターがあると良いでしょう。

金魚は急激な温度変化に弱いので適切なワット数のものを使い、水を循環させながら1日に1度のペースで温度を上げましょう。

また消耗品ですので予備は持っておくことをおすすめします。

これから先ヒーターを使用する頻度が高いならば温度調節式でサーモ・ヒーター本体分離型を選びましょう。

使用上の安全確保も大事ですのでカバー付きで尚且つ安全装置があると安心して使えます。



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