観賞魚の水槽を自宅室内に置いている方は、どのように水を挿入していますか?
外に置いているなら蛇口からホースを伸ばしてそのまま水槽へ入れられますが、室内だとそれが出来ません。
外の蛇口であっても直接入れる場合は水の温度調整ができないので、魚に取って悪影響です。
そして自室に置いている場合、一階ではなく二階に置いているケースではバケツやポリタンクに水を入れてせっせと何回も往復しなければなりません。
水槽の容量が大きければ大きいほど大変です。
今回は水の汲み入れもスイッチひとつで簡単にできてしまう大変便利なものをご紹介したいと思います。
水替えが簡単になる水中ポンプ
水中ポンプ(ウォーターポンプ)をご存知でしょうか。
水槽セットでも上部フィルターのポンプ部分のことを「水中ポンプ」と呼ぶことがありますが、それとは別です。
ここで紹介するPSP-70NSとは「汲み上げができる水中ポンプ」です。
上の写真のように近くに川がある場合、そこにPSP-70NSを入れて花壇の水やりに使用したり、雨などでたまった水を排出したい場合に使用します。
お風呂の残り湯を洗濯機に汲み上げて利用することもあり、それと原理は同じです。
バケツなどに水を貯めて水中ポンプを入れ、ホースを伸ばして水槽へ渡します。
水槽へ汲み上げ
では、水中ポンプを使用するとどれほど簡単に組み入れができるのか、実際に見てみましょう。
ナカトミ PSP-70NS
私が使用しているのはナカトミが販売している小型の水中ポンプ「PSP-70NS」です。
小さくて持ち運びが便利で、小型なのにかなりパワフルです。
水中ポンプを探していた際に様々なものを拝見しましたが、コスパが一番高いのはこれでした。
簡単にスペックを説明しておくと
- 大きさ:高さ27.5cm、幅14.5~16.5cm
- 吐出量:65~75リットル/分
- 全揚程:6~8m
- 最低必要水位:50mm
- 水温の限度:40度
- 電源:アース使用
こんな感じです。
揚程とはポンプが水を汲み上げられる高さのことで、PSP-70NSは6~8mの高さまでは汲み上げができますということです。
ここで記されている排出量は揚程がほぼ0mの時の量だと思います。
高さがほとんどないところへの排出ならば1分ほどで60cm水槽(65リットル)がいっぱいになり、かなり強いです。
揚程が6~8mなので一階から二階への汲み上げは問題ないでしょう。
ただし揚程が高ければ高いほど排出の勢いは落ちます。
スイッチなどは特になく、コンセントに差し込んだ時点で稼働します。
ポンプをバケツに→水槽へ
汲み上げのために最低でも水位が50mm必要なので、水位を確保できるようにバケツの中に入れてしまいます。
高さ・幅ともに16.5cm以上のバケツであれば問題ありません。
ポンプを容器の中へ入れます。
最低水位の50mmはポンプの底の黒い部分が目安で、それ以上の水位があればOKということです。
PSP-70NSに取り付けたホースを水槽に伸ばします。
家の構造によりホースの長さは異なり、私の場合はホースは15mほどあります。
シャワーヘッドを水槽に巻き付けて固定させます。
固定しないとヘッドが暴れてそこら中水浸しになります。
準備が整ったのでコードを差し込んで稼働させます。
ちなみに私はAC電源コード中間スイッチを使っているので、これをONにすると稼働です。
吐出量は落ちる
説明書きでは吐出量が65~75リットル/分とのことでしたが、やはり二階への高さもあり勢いは落ちています。
90cmワイド水槽(約90L)を使っているので65~75リットル/分ならば1分半もあれば水槽がいっぱいになりますが、実際には7分ほどかかっています。
あと、【延長コードの使用は電圧の低下でうまく汲み上げができないことがある】と書かれていましたが、私は延長コードも使用しています。
これのせいもあるかもしれませんが、問題ない程度です。
1分間で13Lほどの吐出量です。
ただ、重いバケツやポリタンクを何度も持って上がる苦労を考えれば水中ポンプを使った方が断然楽です。
ポンプで汲み上げた水と同時にカルキ抜きも水槽へ入れます。
カルキ抜きは適量を何回かに分けて入れています。
水槽への水入れが完了したら電源コードを抜いて、終了です。
水中ポンプでの水替えが便利な点
何よりも重いバケツやポリタンクを持って上がらなくていいことが最大のメリットです。
水替えの最中にバケツをひっくり返して部屋が水浸しになってしまったでは大変です。
そんなリスクを解消してくれます。
あと、屋内の蛇口は基本的に温度調整ができ、調整した水をそのまま汲み上げられる点もメリットです。
魚にとって急激な水質変化や温度変化は負担になります。
しかしお風呂場などで温度調整した水を入れることにより水替えの負担を大きく軽減できます。
PSP-70NSのおかげで水槽の水替えがかなり楽できます。
PSP-70NSの注意事項
汲み上げの苦労を解消してくれるPSP-70NSは大変便利ですが、取り扱いには注意も必要です。
まず、水回りで電気を使用するので電源を触る際には必ず手の水滴をふき取りましょう。
本体にはスイッチがなく、コードをコンセントに入れるといきなり稼働しますので水滴の付着には要注意です。
もちろん、コードとコンセントの接続部分にも注意してください。
次に、空回ししないことです。
最低水位以上の水につかっていることを想定して作られており、空回しするとモーター故障の原因になります。
モーターが故障すると稼働中の音が非常に大きくなったり汲み上げが出来なくなりますので注意が必要です。
水以外では使用しないこと。
スペックの説明のところでも書いた通り40度以下の水で使用してください。
そして水以外、例えば小石が混ざっている水中なども厳禁です。
小石がモーターに絡まって故障の原因になります。
当たり前ですが水槽内の水を排水するために使うのも厳禁です。
モーター音が非常に大きいので注意です。
小さいながらかなりパワフルなので稼働音が結構大きいです。
一昔前の洗濯機・掃除機並みの音を発します。
使用の際は時間や防音を心がけましょう。
あって損はないPSP-70NS
繰り返しになりますが、水中ポンプがあると水替えがかなり楽になります。
水槽の水が汚れやすくて水替えの頻度が高い方は水中ポンプを使った方が良いです。
もちろん水槽の水替え以外にも、ため池から花の水やり、浴槽の残り湯を洗濯機に、水たまりの排出など使用用途は広いです。
自室に水槽を置いていて、水替えに困っている方はぜひ水中ポンプを使ってみてはいかがでしょうか。
番外編:蛇口にコネクターをつける方法もあり
私は水中ポンプで頑張っていますが、もっと簡単な方法としてお風呂等の蛇口にコネクターを取り付けてホースで水槽まで伸ばす方法もあります。
この場合は電気を一切使わないのでPSP-70NSでのデメリットも解消できます。
揚程があっても蛇口から出る水圧によりしっかりと二階まで水を運ぶことができるでしょう。
この方法で汲み上げをしてもよかったのですが、我が家に合うコネクターが見つからなかったのでポンプに頼っています。
もしもホームセンターなどで自宅の蛇口に取り付け可能なコネクターを見つけられるなら、この方法がより良いと思います。