ポップアイの症状

ポップアイの症状は上の画像のように目だけが飛び出てしまう状態です。
初期症状ならば目が出ていることにはほとんど気づかない程度です。
ただ、目の周りが充血している場合は今後ポップアイに発展する恐れもあります。
中度の症状になると明らかに目が突出しているのがわかり、上から横から眺めても判断できるほどです。
目の周りの充血が出ることもあれば、目の突出だけのこともあります。
重症化すると目が取れてしまうこともあり、傷口から二次感染などを起こして最後は★になります。
症状としては目の周りが真っ赤になったり、白い膜で覆われてしまうこともあります。
ここまで来ると完治には薬浴が必要です。
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併発しやすい病気
ポップアイの症状だけが起こることもありますが、以下の病気・症状と一緒に発生することもあります。
- 尾ぐされ病:尾びれの先から白く溶ける
- 松かさ病:うろこが逆立つ
- 赤班病:体の一部に赤い斑点が出る
- 目の細菌感染:目が白く濁る
目の細菌感染は例外的なものもありますが、上記の病気とポップアイは同じ菌が原因で発症します。
そのためポップアイと同時に起こることが多く、逆にこれらの症状が重症化するとポップアイが発生することもあります。
ピンポンパール特有の症状
ピンポンパールでは目の突出だけでなく、目を覆うような水泡や水ぶくれができることがあります。
実のところこれがポップアイなのか目の外膜が細菌感染を起こした症状なのかは不明ですが、ピンポンパールで起こりやすです。
うちの金魚での発生事例は寄生虫ギロダクチルスによる粘膜や上皮の浸食、もしくは壁に身体を擦りつける際に目を負傷した傷です。
外膜が水ぶくれしている状態ですので、細菌感染である可能性が高いです。
ポップアイの原因
ポップアイは金魚の体内で運動性エロモナス菌が活性化することにより発病します。
エロモナス菌は水中に存在する常在菌ですが、水質悪化などの影響で悪玉菌と化して病気を発生させます。
先ほど挙げた尾ぐされ病、松かさ病、赤班病もエロモナス菌が原因で起こるため併発の可能性が高いのです。
エロモナス菌は金魚の体内にも存在しますので多少の菌でポップアイになることはありませんが、以下の影響でストレスを抱え弱り、発症することがあります。
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- 水質悪化
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- 水質変化
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- 急激な温度の変化
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- 過密飼育
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- 外部からの刺激(音や振動)
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- 水槽内のいじめ
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- 体力の低下
この中の水質変化は塩浴や薬浴、それらから淡水に戻す場合も含みます。
ポップアイになっても餌を食べて元気に泳ぎ回りますが、出目金ではない限り目が突出してしまうことはありませんのでその後の観察が必要です。
ガスによる影響も
水中には金魚が息をするために必要な酸素ガスと窒素ガスが存在します。
空気の中で一番多く存在するのは窒素であり、酸素同様に水中に溶け込みます。
この酸素や窒素が水中に多く溶け込み飽和すると、これ以上溶け込まなかった酸素・窒素が金魚に取り込まれて「ガス病」を発症します。
ガス病はヒレや血管などに酸素・窒素ガスが溜まってしまう病気で、酸素が溶け込みにくい夏場の高水温でエアレーションやフィルターによる循環が強いと溶け切らない酸素量が多くなり、ポップアイの引き金になる可能性もあります。
運動性エロモナス菌によるポップアイとガス病でのこれの違いは判断が難しいところですが、ガス病の場合は治療に薬や塩浴を必要としません。
有効な薬
体内のエロモナス菌が原因ですのでオキソリン酸、フラン剤、サルファ剤の薬が有効です。
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フレッシュリーフ |
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グリーンFゴールドリキッド(オキソリン酸) |
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観パラD(オキソリン酸) |
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グリーンFゴールド顆粒(フラン剤・サルファ剤) |
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エルバージュエース(フラン剤) |
ただし、ポップアイは基本的に体力低下や体内のエロモナス菌が影響していますので、外からの治療はあまり有効ではありません。
むしろ薬浴によって無駄に体力だけ奪ってしまい、余計にポップアイがひどくなること考えられます。
なので重症化していないのであれば薬浴よりも体力の回復を考えてあげた方が良いでしょう。
薬餌の投与
ポップアイや尾ぐされ病の際には普段あげている餌を薬につけて食べさせ、体内に働きかける薬餌という方法もあります。
例えばグリーンFゴールドリキッドに餌をつけて成分を染み込ませ、それを個体に食べさせるというものです。
薬が染みた餌が体内に入れば原因菌に対処できますが、個体が薬の味を察して食べずに吐き出してしまうこともあります。
薬餌の作り方
作り方は自由なので以下は参考程度にご覧ください。
- 薬を用意
- 固形餌を用意
- 食べさせる
1.薬を用意する際、なるべく液状である方が作りやすいです。
グリーンFゴールド顆粒は文字通り粉の薬なので、使用の際は水に溶かしておきます。
ちなみにこの時、薬は原液のままか2倍に薄めると良いでしょう。
2.固形餌を用意したら、薬につけて30分ほど放置し染み込むのを待ちます。
あまりに柔らかい餌ならば放置時間はもっと短くても結構です。
フレークタイプや粉状の餌は薬餌に向きません。
3.薬が染み込んだ餌を食べさせます。
食べ残しが出ないように一口ずつあげましょう。
以上が薬餌の方法ですが、薬餌を最初の数口食べていてもその後食べなくなることもあります。
おそらく薬の味を察して食べたくないのでしょう。
その場合は無理にあげる必要はありません。
治療方法
ポップアイは体内の菌が影響しているため身体表面に働きかける薬浴は効果が低めです。
もちろん薬によってポップアイが治まることもありますが、いきなり薬浴せずにまずは水質改善(全替え)・塩浴で様子を見てみましょう。
エロモナス菌はカラムナリスや寄生虫のように強い菌ではありません。
そのような弱い菌で発症してしまうということは個体の体力低下が原因と考えられます。
そのためまずは水替え・塩浴だけで対処し、2~3日様子を見てみて治らない場合は塩浴+薬浴を施します。
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- 温度合わせ・カルキ抜きをする
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- 1日かけて0.5%分の塩を投与
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- 1日かけて適量の薬を投与
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- 水替えは2~3日に1回
塩浴のやり方は、別の記事でも詳しくまとめています。
餌は与えてOK
餌を与えることにより体内のエロモナス菌が活性化するとの考えもあるかもしれませんが、それ以上に個体の体力を回復させることの方が重要です。
塩浴を行っても水替えなどで環境変化が起こる以上は金魚にとってストレスになります。
そう考えると唯一の回復手段は餌になりますので、食べられる状態であれば与えても構いません。
1日に1回か2回、食べきれる量をあげます。
ただし、これによって残りカスや糞で水が悪化しますので水質管理には気を付けておきましょう。
朝を与えるなら毎日か2日に1回は水替えが必要になります。
やってはいけない治療
ポップアイの治療時にやってはいけないのが加温治療です。
運動性エロモナス菌は25℃以上で活性化しますので、金魚の代謝や消化を良くする目的で加温しても同時に菌も活発になります。
夏場は水温が上がってしまうのは仕方ありませんが、ポップアイ治療ではヒーターの使用無しで行いましょう。
ただし冬場の寒すぎる環境(10℃を切る)でも体力は落ちますので、この場合はヒーターで18~20℃ほどにしてあげると良いです。
実際の治療例

こちらの金魚は以前ギロダクチルスに寄生され、薬浴や塩浴の期間が長かったせいかおそらく免疫力の低下によりポップアイを発症してしまったトラ柄のピンポンパールです。
寄生虫の治療中は壁に身体を擦りつけていたので、目が水泡に包まれているような形でしたが、現在それは治まっています。
あとは目の突出がひどいので治療していきたいと思います。
治療の条件
今回の治療では
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- ポップアイ 中度の症状
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- ヒーターあり 21度
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- 1日に2回エサやり
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- 塩浴なし
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- 薬浴なし
の条件で行います。
寄生虫が付いていたときはかなり弱って餌を食べないほどでしたが、現在はそれが駆除出来て餌も食べやや回復傾向です。
このピンポンパールと一緒に尾ぐされ病を治療していた個体が、おそらく薬負けで★になってしまったのでこちらは薬浴なしで治療します。
1日目・治療開始
体内のエロモナス菌にやられているせいか元気がなく、餌もほとんど口にしません。
塩浴・薬浴から淡水に戻したばかりなので負担がかかっている状態で、あまり泳がずにじっとしています。
弱っている状態の時は頻繁に水槽をのぞき込んだりせず、金魚に刺激を与え過ぎないことが重要です。
カバーなどをして外の様子が見えないようにするのもOKです。
3日目・元気が出てきた様子
1日目はじっとしていることが多かったですが、2日目から徐々に泳ぎ始め3日目現在は餌への食いつきもかなり良くなってきました。
朝は冷凍赤虫と咲きひかりの飼育用を与えています。
若干改善したかなという程度で、まだまだ目が出ている状態です。
完全に目が引っ込むまでは少々時間がかかるので気長に治療していきたいと思います。
今はギロダクチルスの治療も並行しており、それが終わり次第本水槽に戻す予定です。
5日目
治療5日目の様子です。
ポップアイの具合は前回とほとんど変わりありません。
そして少し気になるところが出ました。
以下はギロダクチルスの確認のために拡大画像を撮ったものですが、目の周りをよく見ると外膜が少し浮いているのが確認できます。
先ほどの写真でもよく見ると左目に半透明の膜がやや浮いています。
この半透明の膜が膨れるとこちらの写真のようになります。
ギロダクチルスはこの日も確認できませんでしたので、細菌性皮膚炎かポップアイの派生で膜が浮いてきているのでしょうか。
この半透明の目の膜に関してはまだはっきりとした症状が出ていないので、引き続き淡水のみで対応したいと思います(気のせいかもしれませんし)。
13日目・少し治まった?
8日ぶりのポップアイ観察です。
目が出ていること以外これと言って症状がないので、水を綺麗にしつつ餌をあげています。
そしてお目目の状態ですが、おそらく少し良くなっています。
撮影後に初期の写真と比べてみたのですが、明らかに目がひっこんでくれています。
特に薬浴や塩浴を行っておらず、水を綺麗に保つことだけを考えています。
5日目以降は水替えは3日に1回、半分のみ行っています。
まだポップアイが完全に治った状態ではありませんが、徐々に改善しているので引き続き現在の治療(?)を続けていきたいと思います。
28日目
13日目以降、本水槽に戻して通常の飼育をしています。
気を付けているのは水が汚くならないことをくらいで、この間塩浴や薬浴は一切行っていません。
そしてこちらが現在の様子です。
まだ完治とはいきませんが治療前に比べるとかなり改善しています。
13日目と比べてもやや治まっていると言えるでしょう。
塩浴・薬浴を行わずともポップアイアが改善しており、金魚の免疫力によって体内のエロモナス菌が抑えられています。
ポップアイの原因のところにも記したように、ストレスや飼育環境の悪化がポップアイを招くので、それを引き起こさないように気を付けています。
かと言って様子を伺うために頻繁にのぞき込んだりするのもNGです。
必要最低限のお世話で治療を行いましょう。
少し話が逸れますが、黒い斑点模様が少し取れてきたようです。
かさぶたでもなんでもなくただの模様なのですが、いずれこの点々も消えていくのでしょうか。
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