ハダクリーン プラジカンテル

ハダクリーンとは

ハダクリーンとはバイエル薬品が販売しているプラジカンテル(プラジクアンテル)を主成分とした粉末病の寄生虫駆除剤です。

金魚用の薬ではなくスズキ目魚類に寄生するハダムシや住血吸虫の駆除を目的としたものですが、ギロダクチルスやダクチロギルスの駆除にも有効です。

 

従来から上記の寄生虫にはホルマリンやトリクロルホンなどの薬を使用されてきましたが、それらは毒性が強く魚の体力も奪いリスクが大きいのが欠点でした。

しかしハダクリーンに含まれるプラジカンテルは金魚にはもちろん、濾過バクテリアなどにも影響がないので非常に使い勝手が良い成分です。

 

ハダクリーンを使用したギロダクチスルの治療例は以下にも記しています。

ギロダクチルスの特徴と薬を使った治療方法を実例で紹介

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プラジカンテルの働き

プラジカンテルに触れた特定の寄生虫は外皮細胞膜の障害を起こしたり、細胞の構造が破壊されることで体内物質が出てしまい死滅します。

 

プラジカンテル自体は水中の生物だけでなくヒトや動物の寄生虫にも有効で、通常は経口摂取(口から取り入れる)で利用します。

金魚やその他の魚でも経口摂取による効果は発揮しますが、寄生虫により弱っている個体は餌を食べられないこともあるのでこれを使った薬浴が有効です。

有効な寄生虫

ハダクリーンが効く寄生虫は以下です。

  • ギロダクチルス
  • ダクチロギルス
  • トリコディナ
  • キロドネラ(白雲病)

 

逆に効き目がないものはイカリムシ、ウオノカイセンチュウ(白点病)、ウオジラミです。

 

以下は★になってしまった黒ピンポンについていたギロダクチルスに、規定量のハダクリーンを使用した例です。

投与前 透明の物体がギロダクチルス
投与後 寄生虫が白く濁って死滅

 

ハダクリーンの使用方法

主成分のプラジカンテルは一部の液体にはよく溶けますが、水には非常に溶けいにくいです。

以下はプラジカンテル1gを溶かすのに要する溶媒量です。

  • クロロホルム:1.8ml
  • エタノール:10.3ml
  • 水:2.5L

 

溶けやすさだけでみるとクロロホルムが一番ですが、揮発性が高く少量の取り扱いは困難で水に溶けにくい性質なので薬浴には不向きです。

一方エタノールも揮発性が高いものの親水性で薬局でも少量を少額で購入できるためハダクリーンの溶媒に最適です。

 

水ではプラジカンテルを1g溶かすのに2.5Lも必要になります。

ただ、金魚を水槽飼育している場合必要なハダクリーンの量は1g以下になると思いますので、水を溶媒にしてもOKです。

エタノールと水での溶け方を比較

溶け具合を比較するために、水とエタノールでハダクリーンを溶かし、どれほどの差ができるか試してみます。

 

  • 2つの容器を用意
  • 溶質:ハダクリーン0.3g
  • 溶媒:エタノール(10ml)、水(10ml)
  • よく混ぜた後に溶液の状態を確認

両方の容器にハダクリーン0.3gを入れ左の容器にはエタノールを、右の容器には水を入れます。

2つの容器を同時に20回ほど振りました。

 

容器を置き、数分後に撮った写真が以下です。

エタノール 水 ハダクリーン
エタノール溶液には何も沈殿していないのに対し、水溶液の方は泡や沈殿物が確認できる。

 

さらに拡大して見てみます。

エタノール プラジカンテル
エタノール溶液:よく溶けているので固まりや沈殿物がない。

 

ハダクリーン 水溶液
水溶液:成分が完全に溶けておらず沈殿したり固まって浮いたりしている。

 

比較すると濁りの違いもよくわかります。

溶媒に溶け込んでいる方が濁りが濃く、溶けない方は濁りが薄いです。

エタノール溶液 水溶液
左のエタノール溶液は右の水溶液に比べて濁りが濃い。

 

今回は溶質0.3gに対し溶媒は10mlでしたので、エタノールは溶かすのに十分な量でしたが水は量が不足していました。

水に混ぜた場合、溶質がうまく溶けたように見えても実際には写真のように沈殿していたり固まりになっているため、十分な量が必要になります。

規定量と溶かし方

0.3g ハダクリーン

薬浴の場合、水10Lに対して0.3gのハダクリーンを使用します。

ハダクリーン0.3gを溶かすの必要な水の量は約750mlですので10Lあれば十分です。

 

ただし、上記の通り水には非常に溶けにくい性質なので0.3gのハダクリーンを一度ペットボトルなどに取り、そこへ薬浴用の飼育水で750ml以上の水を入れた後、よく振ります。

これを水槽に入れればハダクリーン薬浴の完成です。

 

エタノール溶液にする場合は、0.3gに対しエタノールを3ml用意し溶かします。

期間

薬浴期間は24時間ですが、魚に負担にならないので少し長くなっても問題ないと思います(とは言っても24時間で十分な気がします)。

約1週間後に再度薬浴をします。

さらに約1週間空けて薬浴をします。

 

1週間間隔で合計3回の薬浴をすれば完了です。

薬浴から次の薬浴までの間は塩浴を行っても良いですし淡水のままでもOKです。

 

もちろんこの間は個体を本水槽に戻さず、治療水槽のみで行います。

塩浴との併用について

プラジカンテルが水に非常に溶けにくい性質なので、塩浴をしてしまうとさらに水に溶ける効率が悪くなります。

また、プラジカンテルは他の金魚の薬のようにきついものではなく、バクテリアにもほとんど影響を及ぼさないほどやさしい成分です。

なので同時に塩浴をする必要はなく、もしもするなら次の薬浴までの期間に施せばいいでしょう。

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ハダクリーンで薬浴治療

では使用方法や規定量を基にしてハダクリーンを使った薬浴でギロダクチルスの治療を行います。

まずは水槽のセッティングですが、以下の条件で行います。

 

  • 水10L
  • ハダクリーン0.3g
  • 溶媒:水
  • 温度22度
  • ギロダクチルス症の治療
  • 24時間薬浴×3回
  • 1回の薬浴から次まで1週間空ける
  • 薬浴までの間は0.5%塩浴

水溶液にする理由

ハダクリーンは水に溶けにくいにも関わらず水溶液にして使用する理由ですが、エタノール溶液を使用することにより金魚が一時的に酔っぱらってしまう現象が起こるのを避けるためです。

ヒトがアルコール(≒エタノール)を摂取すると酔っぱらうように金魚もそうなります。

 

以前、おそらくエタノールの影響により体内に存在する平衡感覚に関する神経に影響が出て、1~2日ほど転覆病のようにひっくり返って泳いだり、沈んだまま受けない状態になったことがありました。

これが原因で本物の転覆病を引き起こすとかなりまずいので、現在は頑張って水に溶かして使用しています。

ペットボトルで溶かす

ハダクリーン0.3gに対し水は約750ml以上あればOKですので、1L以上のペットボトルで両者を入れてかなり良く振って混ぜ合わせます。

泡がかなり出たり水溶液を水槽に入れてもペットボトル内に溶け切らなかったハダクリーンの固まりが付いていることがあるので、もう一度水槽内の水を取りよく振って入れます。

最初はエアレーションで水流を

10Lあれば溶けますが、入れた直後はまだ溶け切っていない粉のようなものが確認できます。

グリーンFゴールド顆粒を入れた時のような感じで、少し時間が経てばうまく混ざって少し白く濁った水が出来上がります。

 

薬を入れた直後はエアレーションを強めに設定して床まで沈め、水流を作るとうまく混ざります。

それでもまだハダクリーンの粉が床に沈殿すると思いますので、スポイトや水流を利用して根気よく溶かしましょう。

 

沈殿したハダクリーンの固まりを金魚が食べてしまうこともありますが、そもそも経口摂取の薬ですので問題ありません。

魚にとって少し苦い味のようですので、大量に食べてしまうこともないでしょう。

【動画&写真】使用前後の変化

ハダクリーン使用前の金魚の様子と、使用して4時間後と24時間後の様子を撮りました。

そして薬浴終了後に塩浴を行って24時間経過した状態も撮影しています。

 

以下の写真ではかなりの数が身体についているのがわかります。

ギロダクチルスが寄生しているため粘膜の分泌が多くなり、膜が白くなっているのもわかります。

使用前
使用前

 

ハダクリーンの薬浴を開始して4時間後の様子です。

先ほどまで数多く確認できたギロダクチルスがほとんどいません。

薬に即効性があるとわかります。

使用して約4時間後
使用して約4時間後

 

24時間経過した後の写真です。

寄生虫は確認できません。

気のせいか白い粘膜も使用前よりは落ち着いている印象です。

薬浴24時間後
薬浴24時間後

 

ハダクリーン薬浴をやめて塩浴に切り替え24時間経過した時のものです。

プラジカンテルを使用していない水中ではギロダクチルスが再発するのかどうか気になりましたが、24時間経過後は再発していません。

まだ1回目の薬浴が終わったばかりで、次回の薬浴までは塩浴で様子を見ていきます。

塩浴 24時間
塩浴に切り替えて24時間後